名もない小さな滝
五月雨を 集めてはやし 最上川
という俳句がありますが、梅雨のこの時期には、雨を楽しむのも、一興あるものです。
日曜日、霧島山系の水を集めて流れる、大淀川上流の滝めぐりをすることにしました。
私が住んでいる都城市には、日本の滝100選に選ばれている、「関の尾の滝」があります。
幅60メートル高さ40メートルの滝が、豊富な水を吐き出すかのように、飛沫を飛び散らす様は迫力満点です。
私はカメラを担いで、水と緑の織りなす癒しの世界を探すのです。
ファインダーを覗きながら、この滝の凄さに圧倒されました。
春夏秋冬、その表情を捉えるのですが、初夏のこの時期の関の尾の滝が好きなのです。
観光客の団体さんが、滝の前でパチパチ写真を撮って、立ち去った後、滝の音だけが聞こえる世界。そして次第に滝の音も聞こえなくなり、ウグイスの鳴き声が遠くから聞こえる時、ふと我にかえるのです。
静かな世界にカメラのシャッターの音だけが、小気味よく耳に残るのです。
この関の尾の滝の上流には、いくつもの滝があるのですが、隣町の鹿児島県の財部町には、名もない美しい滝があり、この時期にもつとも美しい姿を現すのです。
緑の山あいの中の小さな滝ですが、私の最も好きな滝なのです。
私はここにたどり着くと、時間の流れることを忘れ、いつまでも独りたたずんでいるのが至福の時間なのです。
(写真は名もない小さな滝です。)

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